「高血圧の放置は危険!動脈硬化が死を招く!」のページでお伝えしたように、動脈硬化は死に至るほどの合併症を引き起こすリスクがある大変重い病気です。
そして、この動脈硬化には大きく分けて3種類あり、それぞれのリスクも異なります。
以下、簡単にまとめてみました。
動脈硬化の種類
1 粥状(じゅくじょう)動脈硬化
2 中膜硬化
3 細動脈硬化
粥状(じゅくじょう)動脈硬化
粥状動脈硬化とは、大動脈、脳動脈、冠動脈などの太い血管に起こる動脈硬化です。
粥状動脈硬化が生じる直接の原因はプラークです。
プラークとは変性したコレステロールの塊のことですが、このプラークが血管の内側に蓄積されていくことで血管の内腔が狭くなっていきます。
その結果、血管の弾力性が失われていきます。
粥状という名の通り、お粥のようにドロドロとした塊が血管の内側にへばりついている状態ということです。
想像しただけで恐ろしいですね。
目には見えなくても、血管の中がそんなことになっているのです。
放っておくと、こっそりと死が近づいてきます。
30歳を超えている人は、定期的に動脈硬化を調べましょう。
なお、粥状動脈硬化は「アテローム硬化」と呼ばれることもあります。
粥状動脈硬化のリスク
粥状動脈硬化が進行すると、血管の内腔が狭くなることで血液の流れが悪くなります。
その結果、たとえば心臓の冠動脈の血流が悪くなると狭心症を引き起こす可能性があります。
また、粥腫が破裂して中身が出てしまうと、血が固まっていわゆる血栓(けっせん)ができます。
血栓は血管をふさいで血の流れをとめる危険があります。
もし、心臓や脳への血流が止まってしまうと、心筋梗塞や脳梗塞になります。
中膜硬化
中膜硬化とは、動脈の中膜に石灰質がたまって骨化するという動脈硬化です。
動脈は、内側から内膜、中膜、外膜の3層でできていてます。
そして、中膜は3層の中で一番厚みがあり、弾力性に優れています。
しかし、その中膜にカルシウムが侵入すると石灰化が進み血管が硬くなります。
これが中膜硬化です。
中膜硬化が進むと血管壁が破れることもあります。
この中膜硬化は大動脈や下肢の動脈、頚部の動脈に起こりやすい性質があります。
心臓に繋がる大動脈で中膜硬化が進むと、死に直結する大動脈破裂を引き起こすリスクがあるのです。
なお、中膜硬化は「メンケベルグ型動脈硬化」ともいわれます。
3 細動脈硬化
体の末端には毛細血管があります。
その毛細血管の手前にある細動脈に起こるのが細動脈硬化です。
主に脳や腎臓などの毛細血管に発生します。
もともと細い血管の内腔がさらに狭くなるので、わずかな血栓でも詰まって血流が止まります。
またもともと毛細血管は強度に劣るので、血管壁も破れやすいのです。
細動脈硬化が進行すると、脳の細い血管が破れるラクナ梗塞や腎臓の細動脈が詰まる腎硬化症などが起こる危険が高まります。
また、目の網膜の細動脈が硬化することで高血圧性網膜症が発生し、視力が低下するというリスクも高まります。