生理食塩水負荷試験とは
生理食塩水負荷試験とは、生理食塩水を投与し、アルドステロン濃度(PAC)を測定する検査です。
検査の実施は容易ではなく、通常は入院して行われます。
生理食塩水負荷試験の実施方法
実施方法は、以下の通りです。
検査実施時間は早朝(午前8~9時頃)。
検査当日の朝食は抜き(あるいは前夜から絶食)、空腹状態にしておく。
ベッドで臥床状態で30分程度安静にしておき、その後、採血。
採血直後に生理食塩水2Lを4時間かけて点滴静脈注射(1時間に500mLのペースで)。
静注開始から4時間後に採血してアルドステロン濃度(PAC)を測定。
PACが60pg/mL以上であれば陽性と判断。
生理食塩水負荷試験の原理
生理食塩水を投与すると、健常人であれば循環血液量が増加し、レニン活性・アルドステロンが抑制されます。
しかし、原発性アルドステロン症であれば、アルドステロンが過剰自律分泌しているので、生理食塩水負荷後もアルドステロンは抑制されません。
したがって、この検査をして後者の結果がでれば、原発性アルドステロン症の疑いが強いということになります。
そして、その際の基準となる数値が「PAC60pg/mL以上」です。
生理食塩水負荷試験の副作用
なお、この検査には、血圧上昇、血清カリウム低下、心臓・腎臓への負荷、という副作用があります。
ですので、既に心臓や腎臓の働きが低下している患者には実施できません。
年輩の患者にも実施しないという病院もあるようです。
また、排尿回数が増えます。