原発性アルドステロン症の主たる原因である副腎の「腺腫」の存在を調べるために、CTを用いた画像診断がなされます。

メリット

負担が少ない

 

検査前の食事制限はありますが、
撮影自体は5分程度で終わるので患者側の負担は少なくて済みます。

解析度が高い

 

原発性アルドステロン症の腺腫は円形で造影されにくい性質をもっています。

ですので、腺腫が存在する場合、周りの正常な組織との差がはっきりと表れた画像になります。

特に近年のCT画像の解析度は高まっているそうです。

 

デメリット

確定診断はできない

 

ですが、CT画像で確認できる腺腫は約5mm以上の大きさのものに限られます。

それよりも小さい腺腫はたとえ存在していたとしても画像には映りません。

そして、副腎の腺腫の約10%は5mm以下の大きさのものです。

つまり、CTで腺腫が確認されなかったとしても「腺腫は存在しない」とは言い切れないのです。

 

また、腺腫の存在が確認できた場合でも、その腺腫が原因でアルドステロンが過剰に分泌されていかどうかは副腎CTでは確認できません

腺腫の中には非機能性腺腫(アルドステロンを過剰分泌しない腺腫)もあります。そして腺腫のうちの約10%は非機能性腺腫であると言われています。

 

要するに、副腎CTをした結果、腺腫が確認された場合でも、確認されない場合でも、はっきりした診断はできないというのが現状なのです。

 

ですので、最終的には副腎静脈サンプリングをして、左右それぞれの副腎から分泌されているアルドステロンの分泌量を測定しないことには治療方法(腫瘍部分切除か副腎全摘出手術か薬物治療か)は決められないということになります。

例えば、副腎CTの結果右の副腎に腺腫が確認されたが、副腎静脈サンプリングの結果左の副腎からアルドステロンが過剰に分泌されていることが判明した場合には、左の副腎を摘出する手術を選択することになるのです(つまり、右の副腎にある腺腫は大きめの非機能性腺腫であり、左の副腎にはCT画像に映らない小さめの機能性腺腫がある、ということです)。

 

放射線の被曝と造影剤の副作用

 

また、CT撮影の際に放射線の被曝を伴います。

さらに、造影剤を使用する場合、その副作用(かゆみ、発疹・発赤、嘔気などが)が生じる可能性もあります。

 

費用

 

副腎CTにかかる費用は、実施する病院によって異なりますが、大体1万円程度です。

また、造影剤を使用せずに実施する病院もありますが、その場合の費用は6千円程度となります。

 

正確に知りたい方は、受診を予定している病院に直接問い合わせてください。