原発性アルドステロン症であることを確認したい?
2016年1月20日
今日は前回受けたスクリーニング検査の結果を聞く日だ。
診察時間の30分前に病院に到着し、受付を済ませて待合室に座った。
確かにCT画像検査では副腎に腺腫は発見されなかった。
しかし、私は自分が原発性アルドステロン症であると思っている。
CTには映らない小さな線種が私の副腎には存在している。
そんな気がする。
そうでなければ、こんなに激しい口渇と頻尿は説明がつかない。
足だってつるのだ。
別に病気であることを望んでいるわけではないが、異常な症状が出る原因がわからないというのは嫌だ。
私は自分の体の状態を正確に知りたいのだ。
診察予約時間から遅れること約1時間。
私の診察番号が呼ばれた。
「いよいよモヤモヤした気持ちから解放される・・・」
私は変な期待感を抱きながら診察室に向かって静かに歩いて行った。
血漿アルドステロン濃度のカットオフ値
「失礼します」
ノックはせず、挨拶だけして私はT医師の診察室に入っていった。
例によってT医師は机の上の書類に目を通していた。
「え~、のび助さんですね・・・。前回のスクリーニング検査の結果なんですが・・・」
「・・・・・」
「結論から言うと、原発性アルドステロン症の疑いは低いですね」
「低い・・・」
「つまり陰性ということです」
「あの・・・ちょっと検査結果のデータを見せてもらえますか?」
私はデータが記載されている書面を受け取り、そこに書かれている数字を見た。
レニンカッセイ 0.2
アルドステロン 85.0
見てもすぐにはわからなかった。
しかし、私は勉強しているのだ。
原発性アルドステロン症のスクリーニング検査のカットオフ値は「ARR200以上」
そしてARRとは血漿アルドステロン濃度を血漿レニン活性で割った数値だ。
つまり、この場合のARRは85.0÷0.2
つまり・・・
「先生!アルドステロンとレニンの比率は軽く200を超えているんじゃないんですか?」
「確かにね。確かにARRそのものは425という高い数値になっています」
「・・・・・」
「だけどね、のび助さん。原発性アルドステロン症の可能性というものはARRだけで測れるものではないんですよ。いくらARRが200以上でもそもそもの血漿アルドステロン濃度が低ければ、それは原発性アルドステロン症とはいえません。当病院では血漿アルドステロン濃度が120以上である場合に陽性とするという基準を設定しています。そしてのび助さんのアルドステロン濃度は85。基準以下ですよね?だから陰性という判断になります」
基準120以上?そんなの聞いてねーよ。病院のホームページにも載ってなかったし。
「しかし、あなたが望むのなら次の検査に進むことは可能です。次の検査はカプトプリル検査。そしてサンプリング検査。やるかどうかはあなた次第です」
「・・・・・」
「そして、サンプリング検査をしたとしても、その成功率は90%。血管は複雑に絡み合っているので10%は検査がうまくできない」
「・・・・・この場では決められません」
「いいですよ。納得がいくまで考えてください」
「あの・・・去年最初に血液検査を受けましたよね?その時もアルドステロンとレニンの値は測っているのですか?」
「測ってますよ」
「データを見せてもらえますか?」
レニンカッセイ 0.1
アルドステロン 132
132÷0.1=1320
つまりARR1320
なんと1320!
アルドステロン濃度自体も132で基準の120を上回っている
「最初の血液検査の時は、え~、テノーミン、フルイトラン、ブロプレスを飲んている状態だったからね。アルドステロンの値が高く出るのはその影響ですよ。だから止めてからの値は下がっているでしょ?」
「・・・確かに、そうですね」
「まあ、降圧剤が今使っている2種類で効いているので、少なくとも治療抵抗性高血圧ではないことがわかった。薬を減らしていいことがわかっただけでも良かったんじゃないかな?」
「・・・そうですね」
私は今回提示されたデータと医師の説明をうまく呑み込めなかった。
というよりT医師の真意がよくわからなくなってきた。
保留して後でよく考えてみることにしよう。
本日のT医師の診察は終わった。
その後、ADH(バソプレシン)の検査のため、血液採取。
これで本日は終了。
帰りに、薬局で降圧剤をもらって帰宅した。
またモヤモヤした日々が続く・・・