フロセミド立位試験とは

 

フロセミド立位試験とは、フロセミド(ラシックス)という降圧剤(利尿薬)を服用し、アルドステロン(PAC)とレニン(PRA)を測定する検査です。

3種の検査の中では実施の歴史が一番長いものです。

検査の実施は容易ではなく、通常は入院して行われます。

 

フロセミド立位試験の実施方法

 

実施方法は、以下の通りです。

 

検査開始時間は早朝。

検査当日の朝食は抜き(あるいは前夜から絶食)、空腹状態にしておく。

ベッドで臥床状態で30分程度安静にしておき、その後、フロセミド静脈注射前に採血。

そしてフロセミド(40mg)を注射(一気に静脈投与するボーラス投与。一気に入ってくるので腕が冷たく感じます)。

その後、ベッドから起き上がり2時間立ったままの状態を維持する(歩行や排泄は原則自由)。

そして、フロセミド静注後の60分後、120分後の2回、採血する。

 

その結果、120分後のPRAが「2ng/mL/h」以下であれば陽性と判断。

フロセミド立位試験の原理

 

健常人であれば、フロセミドを注射することによって循環血漿量が減少し、それに対してレニン活性(PRA)が亢進することによって、血圧を維持することになります(フロセミドによりレニン活性を促進する負荷をかけているのです)。

しかし、原発性アルドステロン症であれば、フロセミドにより循環血漿量が減少しても、PRAは抑制された状態となります。

したがって、この検査をして、後者の結果がでれば、原発性アルドステロン症の疑いが強いということになります。

 

そして、その際の基準となる数値が「PRA2ng/mL/h以下」です。

フロセミド立位試験の副作用

 

なお、この検査の副作用として起立性低血圧血清カリウム低下を引き起こすことがありますので注意が必要性です。

また、排尿の回数が増えます。