唾液の分泌量が少なくなる病気

2016年2月24日

今日は口腔外科の受診日だ。

 

「口渇の原因としては唾液の分泌量が少なくなる病気も考えられますね。唾液が少ないから喉が渇く。次回は口腔外科で検査をしてみましょう」

 

という主治医Tの判断で今日の検査を受けることになった。

唾液の分泌量を測定するらしい。

 

 

唾液の分泌量が少なくなる病気・・・

 

 

気になった私は前回の診察後、家に帰りインターネットで「唾液の分泌量が少なくなる病気」というものを調べてみた。

どうやら「シェーグレン症候群」という名の病気がそれにあたるようだ。

そして、詳しいことはよく理解できないが、どうやら「シェーグレン症候群」とは結構珍しい病気で難病でもあるらしい。

シェーグレン症候群の症状としては、口が渇く、夜中にトイレによく行く、咳が良くでる、涙が出にくい・・・などなど。

 

ん~・・・

 

確かに私は口渇が激しいし、頻尿で夜中に必ず2回はトイレに行く。

でも特段咳がでるということはないし、涙だってあくびすればすぐに出る。

最近は年のせいかドラマを見て涙が出ることすらある。

そしてそもそも唾液が出ないという自覚症状がない。

さらにはシェーグレン症候群の患者の9割は中年女性だという。

 

・・・・・違うんじゃないかな?

 

口腔外科でレントゲン検査

 

違うだろうと思いつつも予定を入れた以上、病院に来た私。

口腔外科も例によって患者が多い。

予定時間が経過しても診察室には呼ばれない。

 

待っている間に受付スタッフが問診票を持ってくる。

問診票にこれまでの経緯、つまり20歳くらいの頃(約30年ほど前)から口渇と多飲が始まったことを記載した。

それからようやく診察室に呼ばれた。

 

「まずはレントゲンを撮ります」

 

レントゲン?

 

唾液の検査と聞いていたのでレントゲンは予想していなかった。

でも言われるがままに椅子に座り機材の台に顎を乗せ、そして言われるがままにプラスチックのような素材の長さ15cmほどの棒を歯で噛んだ。

 

「そのままじっとしていてください」

 

言われるがままにじっとしていると、口の周りを小さなカメラが回っているようだ。

数分で撮影は終わった。

 

気になって仕方なかったので医師に聞いた。

30後半くらいの男性医師だった。

 

「あの・・・レントゲンで何を調べたのですか?」

「ああ・・・口の周り全体のレントゲン写真を撮ったんです。口内になにか問題がないかを広く調べるためのスクリーニング検査ですよ。初診の患者さん全てに実施しているんです」

「そうですか・・・」

だろうな。レントゲンで唾液の分泌量は測れないだろうし。

 

「次に唾液分泌量のチェックをします」

 

ガムを噛んで唾液分泌量を検査

 

看護師に誘導されて私は待合室の椅子に座った。

そして看護師から紙コップひとつとガム2個を渡された。

 

「今から10分間ガムを噛み続けてください。そして出てきた唾液を飲み込まずに全てこの紙コップに出してください」

 

なるほど。単純でわかりやすい検査だ。

 

 

ガムを噛んでみた。

弾力が強く、味も結構強い。

噛んだ瞬間から唾液が出る。

出る。出る。出る。

めっちゃ唾液が出る。

出す。出す。出す。

紙コップめがけおもくそ唾液を吐き出す。

 

「唾液ってこんなにも溢れ出てくるものなのか?」

 

かつて経験したことのないほどの大量の唾液が私の口の中で湧き出ている。

あっという間に紙コップに数センチの唾液が溜まった。

 

「唾液の分泌量が少ない?絶対にそんなことはないな」

 

検査が終わる前に確信した。

私はシェーグレン症候群ではない、と。

 

 

 

ガムを噛みながら掛け時計をじっと見ていた。

ようやく長い長い10分が経過した。

すると直後に受付のほうからベルが鳴る音が聞こえた。

スタッフが紙コップを受け取りに来た。

 

「では診察室に入ってください」

 

口の触診

 

診察室に入ると、今度は若い女医が待っていた。

今度は口の中を触診するという。

 

「口を開けてください」

 

女医が私の口の中をまじまじと覗き込む。

別に恥ずかしいとも思わないが、心地良いものでもない。

 

昨夜はニンニクを食べたか・・・?

食べてない。

酒は飲んだか・・・?

ビールは飲んだ。でも2本だけ。女医の鼻をもぐほどのアルコール臭はでていないはずだ。

 

そんなことを考えていると、やにわに女医が私の顎の下を押し始めた。

ぐい、ぐい、ぐい、と

 

「問題ないようですね」

 

どうやら顎を押して唾液の出具合を調べていたようだ。

 

「ではもうしばらく待合室で待っていてください」

 

シェーグレン症候群の検査結果は・・・・・虫歯?

 

ぼ~っと待合室の椅子に座っていると、診察室にお入りくださいとの声が聞こえた。

診察室に入るとさっきの30後半にみえる男性医師の説明が始まった。

 

「唾液の分泌量を検査してみましたが、正常ですね。レントゲンでも特に異常はありません。結論として、口腔外科的には口渇の原因となるようなものは見つかりませんでした」

「そうですか」

「ただ、口渇とは関係ありませんが、右上の奥歯の奥の方に菌の巣のような影が見えます。痛みが出始めたらかかりつけの歯科医で診てもらってください」

「わかりました」

 

虫歯の前兆が見つかった。

これが今日の検査の収穫か?

 

シェーグレン症候群。

もともと疑ってすらいない病気だったが、口渇の原因を突き止めるには消去法でいくしかないのだろう。

となれば、選択肢が一つ消えたことも今日の収穫か。

 

口腔外科の受診が終わった後、私はT医師が待つ循環器内科に向かった。

今日はT医師からADH(バソプレシン)検査の判断基準を聞くことになっている。