ADHの分泌量0.8pg/mlは正常範囲内のはず・・・

 

2016年2月24日

口腔外科の受診を終えた後、私は循環器内科に向かった。

今日はT医師からADH(バソプレシン)検査の判断基準を聞くことになっているのだ。

 

実は前回受診した後に私は家に帰ってインターネットでADHの基準値を調べていた。

 

0.3~4.2pg/ml

 

これがADHの正常範囲だという。

 

そして、私のADHの分泌量は0.8pg/ml

 

おさまっている。

やはり、前回の診察でT医師が言ったように、私のADHの数値は正常範囲内なのだ。

 

だから、今回改めてT医師の説明を聞く必要はなかったともいえる。

だけど、T医師は真剣に私の病気に向き合ってくれているのか?

それを確かめるために、今日の説明を聞く意味はある。

 

もう一種類の尿崩症

 

「失礼します」

 

例によって簡単に挨拶してT医師の診察室に入った。

 

「え~のび助さんですね」

「はい。よろしくお願いします」

「ADHの数値についてなんですけどね・・・」

「はい」

「あなたのADHの数値は0.8pg/ml。この数値は特別高いわけではないんですね」

 

だろうね。0.3~4.2pg/mlが正常範囲なんだから。

むしろ低めと言っても良いのだろう。

 

「ただね、のび助さん。尿崩症には2種類あるんですよ。あなたの数値は特別高くはないので、そのうちの1種類には当たらない。しかし、もうひとつの種類に該当するかどうかに関しては、0.8pg/mlという数値の評価はちょっと難しい」

 

尿崩症に2種類ある?

そんなことネットに書いていたっけ・・・?

 

「尿崩症だとナトリウム、レニンが高くなるが、あなたの場合、両方とも高くない。むしろレニンは低い。だから判断が難しいんです。」

 

どういうことなんだ?

何を言っているのかさっぱりわからない。

 

「そこで、より専門的に検査するために内分泌内科を受診してください。内分泌に問題がないか確認しましょう。おそらく問題はないと思いますがね・・・。どういう検査をするかは内分泌の先生に聞いてください。まぁ脳のMRは撮るでしょうね。場合によっては負荷試験を実施することになるかもしれない」

 

今度は内分泌内科か・・・

まあ専門外なのだろうから、無責任によそに丸投げしたということではないのだろう。

T医師なりにちゃんと考えてくれたんだと信じたい。

でも、前回の「疑いなし」という診断はなんだったんだろうか?

病院の検査って、医師の診断って・・・アバウトだよな。

 

「ところで飲水量は制限していますか?」

「あ・・いや、ちょっとそれは・・・。やっぱり喉が渇くものですから」

「そうですか。まあいいでしょう」

 

う・・・なんだか宿題を忘れた小学生時代の感覚を思い出した。

でも実際に喉が渇くんだ。

制限なんかしたら仕事も集中できなくなるって。

 

なんだか嫌な感じで今日の受診が終わった。

 

中枢性尿崩症?腎性尿崩症?

 

「尿崩症には2種類ある」

「もうひとつの種類に該当するかどうかの判断は難しい」

 

T医師の発言の意味が分からず気になって仕方のなかった私は家に帰ってもう一度インターネットで尿崩症について調べてみた。

 

 

中枢性尿崩症

 

腎性尿崩症

 

 

なるほど。確かに尿崩症には2種類あるようだ。

で、T医師が言っていた疑いの残されている尿崩症はどっちなんだ?

ナトリウム、レニンとの関連性は・・・?

 

うぅ・・・専門用語が多すぎる。

論理の流れについていけない。

ああ、めんどくさくなってきた。

これ以上調べるのはちょっとしんどい。

 

大体私は尿崩症なんかではない。

根拠があるわけではないが、そんな珍しい病気にかかっているはずがない(誰しもがそう思うのであろうが)。

 

私は原発性アルドステロン症なのだ。

そうであれば、これまでの全てについて説明がつくのだ。

だから尿崩症について調べるのはもうやめよう。

 

内分泌内科の検査に丸投げすることを決め込んだ私はパソコンのスイッチを切った・・・