日本人の3人に1人はいると言われる高血圧。
そして、年代別にみると、高齢になるほど高血圧である人の割合は増えています。
参照 厚生労働省のデータ
高齢者が高血圧になりやすい理由
高齢になるほど血圧が上がりやすくなるのは、加齢によって血管が硬くなるからです。
血管が硬くなれば、血液は流れにくくなります。
それでも、血液を全身に送らなければならないので心臓は強く脈を打つようになります。
その結果、血圧が上昇するのです。
高齢になって高血圧になる人の多くがこのパターンだと考えられます。
若いのに高血圧(若年性高血圧)になる理由
しかし、中には20代、30代という若い世代にも高血圧の人が少なからずいます。
40歳以下であれば、加齢により血管が硬くなったということは考えにくい。
他の原因で血圧が高くなっているのです。
若年性高血圧の多くは原因がわかりません。
原因がわからないので「本態性高血圧ですね」と診断されて、降圧剤による治療が始まるのが通例です。
しかし、原因が特定できる若年性高血圧もあります。
いわゆる二次性高血圧です。
具体的には、腎疾患や内分泌疾患などを原因とする高血圧です。
中でも最近注目されているのが、内分泌疾患のひとつである原発性アルドステロン症に起因する高血圧です。
「本態性高血圧?二次性高血圧?そして原発性アルドステロン症とは」でお話ししましたように、原発性アルドステロン症とは副腎にできた腺腫(良性の腫瘍)が原因となってアルドステロンというホルモンが過剰に分泌される病気です。
アルドステロンが過剰に分泌されると体内に過剰に水分と塩分(ナトリウム)を貯めこみ、逆にカリウムを過剰に排出する結果、高血圧になるのです。
副腎に腺腫ができる可能性は年齢に関係ありません。
若い人でも十分に起こりえます。
若くして高血圧になった人へ。
原因が分からないと言って放置しておくことは大変危険です。
高血圧が引き起こす合併症は怖いです。
そして、原発性アルドステロン症の合併症はもっと怖いのです。
参照「高血圧だけではない!原発性アルドステロン症の恐ろしい合併症」
しかし、原発性アルドステロン症は手術により完治する可能性がある病気です。
そして、早期に手術をすれば、高血圧などの合併症も予防、完治する可能性があるのです。
かかりつけの医師に「本態性高血圧ですね」と診断されたとしても、思い当たる症状がある場合には、積極的に原発性アルドステロン症等の二次性高血圧の可能性を疑い、検査を受けましょう。