退院から約2週間後の4月28日

原発性アルドステロン症の機能確認検査と下垂体MRI検査の結果説明を受ける日だ。

 

結論から先に言えば、私は原発性アルドステロン症だった。
そういう診断結果が出された。
その結論自体は検査前の私の予想と一致するものだ。

しかし、その内実は私が考えていたものとは全く違ったものだった。

 

 

 

診察予定時間の30分前に病院に着いた私は受付を済ませて待合室に行った。
待合室はいつものように患者でごった返していた。
そして、いつものように予定時間を大幅に過ぎてから私の名前が呼ばれた。

 

名前を呼ばれた私は、カバンをもって立ち上がり、足早に診察室へと向かった。
そして私はノックをせずに診察室に入った。

 

「あ、のび助さんですね」

 

高校時代田舎の弱小柔道部で次鋒をしていた的な感じのするW医師が笑みを浮かべて私を見た。
T医師とは違い、W医師は顔を向けて、しかも笑顔で患者を出迎えるようだ。
私は「よろしくお願いします」と一言添えてから椅子に座った。

 

「え~検査結果が出ています」

 

そう言いながらW医師は一枚の紙を出した。

 

ずいぶん小さな紙きれだ。
ちょどコンサートのチケット程度の。
で、素材はまさにコピー用紙。
そして、その紙きれには細かい数字がとてもちっちゃくちっちゃく書かれていた。

 

どうやら3種の機能確認検査の結果が記載されているようだ。
それにしても、なんでこんなコピー用紙の切れ端に?
他の書類はみなA4サイズで統一されているというのに・・・

 

まぁいい。
それよりも大事なのは検査結果だ。

 

W医師の説明を聞く前に、自分でこの記載されている数字の意味を理解しなければならない。

私はW医師の前で「もっとわかりやすい原発性アルドステロン症診療マニュアル」を広げながら、検査結果の分析を始めた。

 

 

【負荷試験】

カプトプリル負荷試験:(2016/4/15)

 0 60 90min
 PRA(ng/ml/hr)

 

 0.3  0.3 0.3
 PAC(pg/ml)

 

113 98.7 115
 ARR  376.6 329 383.3

 

 

ラシックス立位負荷試験(2016/4/13)

 0 60 120min
 PRA(ng/ml/hr)

 

 0.3  0.6 0.6
 PAC(pg/ml)

 

107 147 177
 ARR  356.6 245 295

 

 

生理食塩水負荷試験(2016/4/14)

 0 240min
 PAC(pg/ml)

 

150 54.3

 

 

【画像検査】

〈上腹部単純CT〉(2015/12/28当院初回時)

 

副腎の局在病変は単純CT上判然とせず。その他撮影範囲内の上腹部に特記所見なし。