W医師から原発性アルドステロン症機能確認検査の結果説明を聞いた後、私は家に帰って今回の一連の診察、検査入院を振り返ってみた。

 

結論として検査は大失敗であった。

いや、検査を受けるという判断自体は正しかった。
私が疑った通り、私は原発性アルドステロン症であることがわかった(正確に言えば、原発性アルドステロン症であるだろうということがわかった)からだ。

 

しかし、病院の選択を誤った。

 

そもそもC病院を選んだことが大失敗だったのだ

 

 

命に関わる恐れのある原発性アルドステロン症の検査を委ねるのだ。
もっと徹底的に病院に関する情報を入手したうえでどこで検査を受けるべきかを検討しなければならなかった。

私がC病院を選んだ理由は腺腫の部分切除が可能だと信じたからだ。
私は副腎の全摘出ではなく、腺腫の部分切除を望んでいた。
だから部分切除が可能かどうかをC病院に電話で問い合わせた。
そして可能であるという電話での回答を安易に信じてしまった。

ここは治療の核心だ。
電話ではなく、直接病院に行って確認すべきだったのだ。

さらに言えば、部分切除が可能かどうかのみならず、原発性アルドステロン症の治療について実績が十分な医師がいるかどうかを調べるべきだったのだ。

  「原発性アルドステロン症検査初日

 

また、入院してからの私の対応にも問題があった。
1番の問題は検査前の注射だ。
アルドステロンとレニンの値は安静にしていなければ正しい数値は測れない。
しかし、その検査前の研修医の注射の失敗で私はとてつもない激痛を加えられ安静とは程遠い状態になった。
にもかかわらず、その後も私は研修医の注射を拒むことなく何回も失敗が繰り返されてしまった。

患者である私は正しいデータを得るために入院したのだ。
研修医の練習台になるために入院したのではない。
だから、あそこは心を鬼にしてでも最初の失敗の段階で(あるいは“研修医”が注射することが分かった時点で)、ベテランナースに代わってもらうようはっきりと意思表示すべきだったのだ。

 「入院生活の憂鬱~研修医の注射の下手さ痛さ怖さ

 

さらに、点滴の速度がガイドラインと違っていたというナースのミスもあった。
入院患者としてここまでの注意が必要かと言えば難しいところだが、結果論からすれば、点滴が始まる前にナースに点滴の速度を確認すべきだった。
そうすれば、検査の実施時間が延びることはなかったはずであるし、すこしはマシな検査結果が出たはずに違いない。

 「生理食塩水負荷試験を4時間で実施するための点滴の速度計算は難しいですか?

 

その他にも様々な反省点があるが、総じていえば全ては私の準備不足だ。
私の決断力、私の集中力の欠如が招いた失敗なのだ。
 
医者だから、大病院だから、というだけで全幅の信頼を寄せてはいけない。
医師は万能ではないし、病院は必ずしも個々の患者のことを第一に考えているわけではない。
 
病院は信頼する対象ではなく、利用する対象だ。
自分の病気のことはできる限り自分で勉強し、自分で判断し、そして自分ではできない検査、治療を病院を利用して実施するものなのだ。

 
入院前からそのような意識は持っていたつもりだった。
でも甘かった。
私は意識が低かったのだ・・・