副腎腫瘍が引き起こす病気
副腎は、左右の腎臓の上にある小さな内分泌臓器です。
大きさは3 ~4cm程度。
生命の維持に必要なホルモンを分泌するのがその役割です。
この副腎の中に腫瘍(おできのようなもの)ができることがあります。
そして、腫瘍ができると、ホルモンが過剰に分泌され様々な病気を引き起こすことになります。
具体的には、
アルドステロンというホルモンが過剰に作られる原発性アルドステロン症、
コルチゾールが過剰に作られるクッシング症候群、
過剰のカテコラミン(カテコールアミン)が作られる褐色細胞腫などが挙げられます。
副腎の腫瘍は悪性(癌)なのか?
副腎に腫瘍が発見された場合、最も気になるのはそれが悪性か、すなわち癌なのか?という点です。
結論から言いますと、副腎腫瘍のほとんどが、「腺腫」すなわち良性の腫瘍です。
癌であることは極めて稀だそうです。
腫瘍の大きさも数ミリから数センチ程度の小さなものです。
数年くらい放置しておいてもさほど大きくはなりません。
また、悪性ではないので他の臓器に移転することもありません。
しかし、中には4~5センチ程度の大きい腫瘍もあります。
これくらい大きいものであれば、癌の可能性も否定できません。
また、腺腫は短期間では肥大化しないものですが、数年で大きくなっているのであれば、やはり癌の可能性があります。
つまり、副腎腫瘍が発見時にすでに4~5センチ程度の大きさである場合、
あるいは発見時には小さかったものが数年で肥大化している場合には
癌検査を受けた方が良いと言えます。
しかし、そうでない場合(ほとんどのケース)ではその心配はありません。
ですが、癌ではないとしても、例えば腺腫が原因の原発性アルドステロン症の合併症には命にかかわる重大なものもあります。
ですので、放置するのではなく早期の治療を受けるべきです。