スクリーニング検査とは?

 

スクリーニング検査とは、簡単にいえば〝ふるい分け試験

つまり、ある病気の疑いがあるかないかをざっくりとふるい分けるための検査をいいます。

 

そして、原発性アルドステロン症の検査でも、スクリーニング検査を行います。

 

原発性アルドステロン症のスクリーニング検査

 

本態性高血圧?二次性高血圧?そして原発性アルドステロン症とは」でお話ししましたように高血圧患者のうちの5~10%は原発性アルドステロン症であると推定されています。

つまり、高血圧であれば、とりあえず原発性アルドステロン症かもしれないという疑いが生じるわけです。

 

そして、原発性アルドステロン症の場合、確定診断をするためには副腎静脈にカテーテルを入れるというサンプリング検査をしなければいけません。

 

しかし、いきなり身体への侵襲を伴うこのような検査をするのは身体的、経済的負担が大きすぎます。

そこで、何段階かに分けて原発性アルドステロン症の疑いがあるものを絞っていくという検査方法をとります。

  参照「原発性アルドステロン症の検査と治療の流れ

 

具体的には、高血圧患者の血液を採取して、アルドステロンレニンの2種類のホルモンの値を計ります。

そして、アルドステロン(PAC)とレニン(PRA)の比率(ARR)が200以上の場合に「原発性アルドステロン症の疑いがあり、次の検査(機能確認検査)に進むべき」という判断をします。

これが、原発性アルドステロン症のスクリーニング検査です。

 

なぜ、アルドステロンとレニンの比を基準とするのか?

 

レニンには、血圧が低下した場合にバランスをとるため、アンジオテンシンⅠ、Ⅱという生理活性物質を作り、血圧を上昇させる役割があります。

しかし、アルドステロンが過剰に分泌されると循環血漿量が増加し血圧が上昇します。

その結果、レニンが活躍する必要がなくなるので、レニン分泌が抑制されることになります。

このような関係性があることから、アルドステロンとレニンの値を図り、その比が高い場合に原発性アルドステロン症の疑いあり、という判断をするのです。