原発性アルドステロン症には2種類ある
副腎が過剰にアルドステロンというホルモンを分泌することで高血圧などの合併症を引き起こす原発性アルドステロン症。
この原発性アルドステロン症は片側の副腎だけが過剰にアルドステロンを分泌する一側性のものと、両側の副腎から過剰にアルドステロンを分泌する両側性の2種類に分けることができます。
一側性の原発性アルドステロン症
片側の副腎だけからアルドステロンが過剰に分泌される「一側性」の原因のほとんどは、その副腎に腺腫(アルドステロン産生腺腫)ができたことです。
腺腫といっても、ほとんどのそれは良性であり、悪性(癌)であることは極めて稀であるといわれています。
→「副腎の腫瘍が悪性(癌)である可能性と移転・肥大化のリスク」
そして、腺腫が原因である以上、手術によってその腺腫を取り除く(といっても、ほとんどの病院では副腎の全摘出)ことで原発性アルドステロン症は完治します。
そして、原発性アルドステロン症によって引き起こされていた高血圧などの合併症も(完全にとは言えないケースもありますが)改善されていきます。特に早期に原発性アルドステロン症を発見し手術した患者はすぐに血圧が正常に戻るケースが多いそうです。
両側性の原発性アルドステロン症
両方の副腎からアルドステロンが過剰に分泌される「両側性」の原因のほとんどは、副腎の過形成です。すなわち、アルドステロンを作る細胞の数が副腎全体で増加することが原因です。これを特に「特発性アルドステロン症」とも呼びます。
(なお、両方の副腎に腺腫ができるケースもありますが、それは極めて稀だそうです。)
過形成が原因である以上、腺腫が原因の一側性の場合のように手術で除去というわけにはいきません。
また、両側の副腎に腺腫があるというレアケースであっても、両方の副腎を摘出するわけにはいかないので、やはり手術はできません(腺腫の部分切除が可能な病院はほとんどないようです。私が調べた限りでは、現在では東北大学と横浜労災病院だけです)。
したがって、両側性の原発性アルドステロン症の治療はアルドステロンの分泌を抑える薬物治療ということになります。つまり、継続的に薬を飲み続けなければなりません。
原因 | 治療法 | |
一側性 | 腺腫 | 手術による副腎摘出 |
両側性 | 過形成 | 薬物治療 |