スクリーニング検査を受ける

 

2016年1月6日

 

今日はいよいよスクリーニング検査。

血液を採取して血中のアルドステロンとレニンの比率を測り、原発性アルドステロン症の可能性を調べるのだ。

原発性アルドステロン症のスクリーニング検査

 

食前採血ということで朝ごはんは抜き。

一応、前の晩も自主的にアルコールは控える。自分で自分を褒めたい。

晩ご飯は普通に食べたが。

 

 

朝6時ごろに起床。

そして、予定時間である9時の30分前に受付を済ませる。

 

すると、9時前に看護師に呼ばれ、ベッドが置かれてある部屋に入った。

 

15分間ベッドの上で安静にしてからの採血ということで、ベッドに寝かされる。

その間、動いても駄目だし、携帯電話での会話なども駄目。

超厳格。

 

なお、採血前にセーターを脱ぐ行為も動くことになりダメなので、前もってセーターから片腕だけだしてベッドに寝た。自主的に。
そうしておかないと、採血の時にセーターをまくられるので(のびたらイヤですし・・・)

 

なるべく動かないように目をつむってぼーっと過ごす。

何かを考えながらやりすごそうと思ったが何も思いつかない。

だが、時間を無駄にしてはいけない。

何か生産的な思考はできないものか・・・

 

そんなことを考えていたら、いつの間にやら15分経過していた。

何も生産できなかった。

 

40代半ばに見える看護師がやってきた。

いよいよ採血開始。

今日は2本取るとのこと。

 

肘の内側の血管に注射針を刺される。

ちょっと痛かったがすぐに完了。

どおってことはない。

 

病院の食堂で朝食セットを食べてみる

 

採血が終わり受付に行くと

「採血の結果を出してから、先生の診察となります。結果が出るまで1時間以上はかかりますので申し訳ありませんが、それまでお待ちください」

とのこと。

 

ポケベルを渡されて、それから1時間以上時間をつぶさなければならないので食堂に行く。

朝食抜きでお腹がすいていたので、ちょうどいい。

 

420円の朝食セットを頼む。

味噌汁としゃけの切り身と海苔と茄子の漬物。

味は学食程度。

まずくはないがうまくもない。

まあ安いから文句は言えないが・・・

 

食事を済ませた後、コーヒーを頼み、食堂のテレビを見ながら時間をつぶす。
1時間経過したがポケベルは鳴らない。
私にもこの年で裕木奈江みたいな彼女ができないだろうか・・・

 

1時間半ほど経過した頃、ようやくポケベルが鳴った。

我に返った私は食堂を出て循環器内科の受付に行き、ポケベルを返す。
間もなく自分の受付番号が掲示板に出る。

私は静かに待合椅子から腰を上げ、診察室に向かって歩いていった。

 

覚悟をもって副腎CT検査の結果を聞く

 

「それではCT検査の結果を説明します」

 

私はT医師の顔を正面から見据えていた。

覚悟はしていた。

私の副腎には腺腫がある。

今日はその事実を確認に来たのだ。

 

「結論から言うと、CT画像に腺腫は映っていません」

 

 

え・・・

 

 

主治医のT医師から出た言葉は、またしても予想外だった。

 

「映っていない・・・・。あの・・・従来の撮影機では2~3ミリの腺腫は発見できないと本で読みました。今回使われた撮影機はどうなのですか?」

「1ミリ単位で副腎を輪切りにして、つまりスライス状で撮影しています。しかし、2~3ミリの腺腫は発見することができません」

「・・・・・」

「今回の検査ではっきり言えることは5ミリを超えるような腺腫はないということです。そして、小さい腺腫がないとは言い切れません。副腎は薄っぺらい臓器でありそれをぬぐうようにして撮影するので、小さな腺腫は映らないこともあるのです」

 

私がある程度つっこんだ質問をすることはT主治医ももうわかっているので、断定的な発言はなくなっていた。

ただ、腺腫がある可能性はかなり低い、とT医師はみているのであろう。

 

次はスクリーニング検査(採血)の結果を見て、サンプリングをするかどうかを決めることになる。

 

そしてT医師は次のような話をした。

「食塩水を飲ませる機能検査などは精度が低く、また脱水症状を起こすリスクなどがあるため当院では実施しない」

「CTで片方の副腎に腺腫が発見されてもカテーテル検査では他方の副腎からアルドステロンが過剰に分泌されていて、腺腫がある副腎のアルドステロンはむしろ抑制されている、という例もある。この場合、アルドステロンが出ている副腎を摘出すべきことになるが、CT画像で腺腫が映っていない方の副腎を摘出することに対しては拒否する患者もいる」

「実際に副腎をとってみてもアルドステロンの分泌過剰は改善されない可能性もあり、やってみなければわからないこともある」

「アルドステロン、レニンともに低い人もいるのでスクリーニング検査の結果も絶対ではない」

などなど・・・

 

要は、検査も手術も確実なものではなく、うまくいかなかった場合に後から文句を言われても困る、ということを言いたかったのであろう。

この病院に来てから芽生えてきた小さな不安が少しづつ大きくなっているような気がする。

 

「降圧剤を2種類に減らしたが、血圧はそこまで上がっていない。やめた降圧剤は元々さほど効いていなかった可能性がある。検査が終わった後も減らしたままで良いのでは?」

とT医師。

 

確かに・・・そうかもしれない。

その時はそう思った。

 

「ところで、スクリーニング検査の結果はどうでしたか?」

「今日は採血の結果はでませんよ。次回にお知らせします」

 

ん?受付スタッフの話と違う。

だが、そこは突っ込んでも仕方がないので受け流した。

よくよく考えれば、そんな短時間で結果がわかるような検査ではないはずだ。

受付スタッフの話を真に受けてはいけない。

これで2度目だ。

自分でよく考えよう。

 

とにかくCT画像で腺腫が確認されなかったとはいえ、原発性アルドステロン症である可能性が消えたわけではない。

スクリーニング検査の結果を待とう・・・

 

2週間後の予約を入れて、私は病院を後にした。