医師に副腎摘出手術を勧められたらどうする?
副腎にできた腺腫が原因で原発性アルドステロン症に罹ったような場合、その腺腫が存在する側の副腎の摘出手術を医師から勧められることがあります。
このような病気は命にかかわる合併症を併発するリスクもあり、早期の治療が必要です。
そして、薬物治療よりも副腎を摘出した方が抜本的な治療となり、合併症も含めて完治する可能性があります。
ですから、医師が副腎摘出手術を勧めることには合理的な理由があります。
しかし・・・
片方の副腎を摘出しても通常の生活ができるというのが現在の通説
患者として一番気になるのが
「片方の副腎を摘出して本当に大丈夫なのか?」
という点でしょう。
この問題につきましては、教科書的な回答としては「大丈夫」です。
確かに、副腎は生命維持に不可欠な重要な多種のホルモンを分泌する臓器です。
(「副腎とその分泌するホルモンの役割」を参照)
しかし、副腎は左右に二つあります。
片方の副腎を失っても残った副腎が失った副腎の分まで働いて生命維持に必要なホルモンを出すので、問題はありません。
また、仮に将来残った副腎の働きが悪くなったり、あるいは摘出することになったとしても、副腎ホルモンを薬で毎日補うことにより、通常の生活を送ることができます。
と、一般的な医学書等には書かれています。
ですので、ほとんどの医者は患者に聞かれても「大丈夫です」と答えるでしょう。
参照
「患者さんのための原発性アルドステロン症 Q&A」
「もっとわかりやすい原発性アルドステロン症診療マニュアル」
なのですが・・・
副腎摘出後、様々な体調不良を訴える人は存在する
実際には、副腎を摘出した後、様々な体調不良を訴えて今までどおりの生活を送れなくなった方々もいらっしゃいます。
私自身はそのような患者さんに直接お会いしたことはないのですが、ブログ等で副腎摘出による副作用を訴えている人は何人もいます(ブログの体験談、知恵袋の相談)。
私は医師ではないので専門的なことはわかりません。
ですが、副腎が二つ存在するということは、二つ必要だから人間の進化の過程で作られたのだと思います。
その必要な二つの副腎のうち一つを摘出してそれまでと何もかわらない、ということはないんじゃないでしょうか?
上述したように副腎のひとつをとっても問題はないと、医学書等には書かれています。
しかし、副腎を摘出した後、例えば仕事を続けられなくなるほどに疲れやすくなった人は何人もいます。
だけど、疲れやすくなったことと副腎摘出の因果関係は証明されていない・・・
つまりは
「片方の副腎をとった場合に副作用があるかどうかは現段階では判っていない」
というのが本当のところではないかと思うのです。
最終的な判断は患者がするもの
では、副腎摘出は回避すべきなのでしょうか?
いえいえ、そうとは言えません。
上述したように、例えば原発性アルドステロン症の場合、心不全、脳梗塞といった臓器障害のリスクは通常の高血圧患者よりも高くなります。つまり、死に至る危険が高くなるのです。
そして、このリスクを少なくする一番効果的な治療は副腎の摘出なのです。
ですので、患者としては、まず自分の病気の事をきちんと理解しなければいけません。
現状で収集できるあらゆる情報を入手して、自分の体のことを知る。
そして、複数の治療方法がある場合、それぞれのメリット、デメリットを十分に理解する。
その上で、自分が納得して治療方法を選択する。
例えば、同じ原発性アルドステロン症であっても、患者によって、その年齢、社会的立場、家族構成などは異なります。だから、出すべき結論も患者によって異なってしかるべきです。
医師に言われるがままにするのではなく、自分で決断する。
そうあるべきだと思うのです。
自分の健康、自分の人生を左右する事なのですから。